その昔美大だった頃、配給された薪が足りずに
モデルさんの為にこっそりと塀を壊して火にくべた話を
笑い話として教授から聞かされた時
一緒に笑いながらも、尊敬と驚きの入り交じった気持ちで
振り返り懐かしそうに話す教授の横顔を見つめていた
写真や記録で当時を見る事はできても
知る事はできない
ライトアップされた建物のどこかに
当時の様子の名残が少しでもあるのだろうか
学生達は笑い話し集っていたのだろうか
悩み傷つき励まし合っていたのだろうか。
今も月は夜空からその屋根を照らしている。